「お住まいの国からは利用できません」対策にVPN

外国に滞在中にテレビ番組などの日本のコンテンツを楽しみたいと思ったことが誰にでもあると思いますが、各テレビ局がweb配信しているテレビ番組の見逃し配信や、Tver、Hulu等は日本からのアクセスのみに制限されている場合が多く、その場合スペインなど外国からアクセスしても「お住まいの国・地域からは利用できません」などの警告が表示されコンテンツの再生ができません。

Netflixなど世界中で展開している動画配信サービスでも国によってコンテンツが異なり日本限定のコンテンツは外国から視聴することはできません。

テレワーク普及などでおうち時間の増えた今、家で映画やドラマを鑑賞する機会も増えたと思いますが、折角の見たい映画やドラマがあってもこんな警告が表示されたら悲しくなりますよね。

最近は「Video unavailable」と冷酷なメッセージが表示されることも

中国からはYouTubeが観れないのは有名な話ですが、中国に限らずコンテンツにより地域による視聴制限が設定されているYouTubeチャンネルや動画もあります。
一昔前では日本の楽曲のMVなどが外国からは視聴できないことも多かったような。

このようなインターネットにおける国、地域によるアクセス制限のことをGeo blocking、Geo Restrictionなどと呼びますが、これは映像や音楽のコンテンツに限ったことではなく、通常のWebサイトなどにも見受けられます。
例えば有名な仮想通貨取引所DMM Bitcoinは日本国外からのアクセスを制限しており、日本国外からはトップページさえも見ることができません。

VPNってなに?

VPN(Virtual Private Network)とはその名の通り専用ネットワークを仮想環境で構築する技術で、VPN使用することにより、高額な専用通信回線敷設の必要なく通信を暗号化しセキュリティーを高めることができます。これにより、第三者による傍受を防ぐことができます。
公衆Wifiを使う際、送受信するデータが盗み取られる危険性があることからVPNを使うよう言われるのもこのためです。公衆フリーWifiに限らず保護されていない通信は第三者によって侵入・傍受される恐れがありますので注意が必要です。

インターネットセキュリティソフト大手のノートンも無料Wifi接続時のリスクに関して警告しています。

VPNを使用することによって、情報やプライバシーを守りながら、安心してWebサイトの閲覧や動画の視聴、ネットショッピングなどを楽しむことができます。また位置情報やIPアドレスなどが取得されるのを防求ことが可能です。

Geo-blocking対策に有効なのがVPN

VPNのサーバーを介すことにより、例えばスペインから日本に設置されたVPNサーバを経由してWebサイトに接続した場合、接続先のサイト側へはそのサーバーのIPアドレスが通知されるため日本からのアクセスと認識させることができます。この仕組みを利用すればGeo-blockされた日本のWebサイトやコンテンツも閲覧が可能となります。

VPNには無料のサービスもありますが、データ通信容量に制限があったり、サーバーの設置数や通信の安定性やスピード、セキュリティーやプライバシーなどの面ではやはり有料のサービスには劣ります。また無料VPNの中にはマルウェアが含まれているアプリやサービスもあるようで、セキュリティーの不安が少なからずあります。

例えば、無料のHola VPNなどはVPNとは謳っているものの、実際には自社サーバーを使用せずP2Pをベースにした世界中のユーザー間で帯域幅及びIPアドレスを共有するサービスとなります。他ユーザー回線を経由することでそのユーザーのIPアドレスが接続先サイトに通知されます。逆を返せば他ユーザーが自分の回線を経由して接続することも可能ということです。またHola VPNはプライバシーポリシー内にもにもユーザーの個人情報、通信内容を収集する旨明記しています。

今回は通信の安定性・スピード、プライバシーやセキュリティなどの安全面も考慮し有料VPNを紹介したいと思います。

有料VPNの多くが専用サーバーを複数国に設置しており、Geo-blocking回避のために接続先サイトのある国のサーバーを選ぶことが可能です。空いている高速のサーバーを選ぶことで通信速度の低下も防ぎながら通信の匿名化、セキュリティ対策をすることも可能です。
またアメリカ合衆国のように通信ログを収集保存を義務化している国家もありますが、有料VPNの中にはそのような国に会社登記をせずVPN利用時の通信ログを収集保存しないNoログポリシーを謳っているものもあります。

VPNサービスを検討する際には、セキュリティや接続スピードなどに加え、1契約につき最大接続デバイス数も大きな鍵になると思います。スマートフォンやパソコン意外にもタブレット端末やSmartTV、FireTVなどVPNを使用したい端末が家にいくつあるのかも判断材料にすることをお勧めします。

おすすめの有料VPNサービス

下記のVPNサービス提供会社はいずれも日本にもサーバーが設置されており、Noログポリシーを謳っている会社となります。

【Millen VPN】

2020年6月からサービス開始した日本の会社運営のVPN サービスとなります。
サーバー設置国数は約50ヵ国で、合計約1300台のサーバーを設置しているようです。
料金は月額880円(消費税抜)〜と下記の2社と比べると若干割高ですが、日本の会社ですので日本語でのサポートも充実しています。
1契約につき同時接続は最大5デバイスまでで、パソコン及びスマートフォン対応アプリが用意されています。

【NordVPN】

2012年にサービス開始したサービスで、本拠地は通信ログなどの保存が義務化されていないパナマにあるため、通信の匿名化にも優れています。
サーバー設置国数は約60ヵ国、合計5400台以上のサーバーが設置されています。
料金は月額3.71アメリカドル〜(2年契約の場合)、同時接続は最大6デバイスとなります。
パソコンやスマートフォンのアプリに加え、各種ブラウザの拡張機能やAndroidTV用アプリも揃っています。

【SurfShark】

サーバーは65ヵ国に設置され、その数は合計3200台以上。
料金は月額2.49アメリカドル〜で、この3サービスの中では最安のうえなんと同時接続デバイス数の制限がないのが魅力です。
対応アプリはパソコン(macOS, Windows, Linux)、スマートフォン(iOS, Android)、テレビ(AndroidTV, FireTV)など豊富で、各種ブラウザの拡張機能も用意されています。
こちらもまた通信ログの保存義務のない英領バージン諸島に所在しています。

各サービスとも申し込みから30日間いないの解約の際は返金保証がありますので、安心して接続環境やサービス内容を試すことが可能です。

※上記のサービス内容は今後変更の可能性があります。また料金などは契約期間や期間限定キャンペーンなどにより変動します。

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